トイレ

まず列車内の気になる設備ナンバーワンはトイレではないでしょうか。

シベリア鉄道の車両には、基本的に前後の2カ所にトイレが設置されてます。

シベリア鉄道クペー座席番号画像

トイレの仕組み自体は飛行機のトイレとほぼ同じです。

これは旧型車両のトイレです。

シベリア鉄道トイレ便座画像

水を流す時は、足元のペダルを踏んで流します。
(こちらは新型車両)

シベリア鉄道トイレ便座ペダル画像

トイレットペーパーは、日本のような品質を期待してはいけません。
わら半紙に近い硬さです。
切れている場合も多いので、トイレットペーパーは必ず持参しておきましょう。

シベリア鉄道トイレットペーパー画像

水は、蛇口下の棒(バー)を上に持ちあげることで水が出ます。
こちらは新型車両。

シベリア新型鉄道トイレ水道画像

こちらは旧型車両。
シベリア鉄道旧型トイレ水道画像

新しい車両のタイプでは、トイレが使用中かどうかが電光掲示板でわかるようになっています。
ですので、トイレまでいかなくても廊下に出れば確認できます。
緑ランプは「空」、赤ランプは「使用中」です。
下の画像だと、赤ランプなので「使用中」ですね。
(この電光掲示板は、残念ながら古い車両タイプにはありません。)

シベリア鉄道トイレ使用中電光掲示板ランプ画像

トイレは、停車駅に近くなるとカギを閉めてしまいます。
発車してからしばらくするまで開きません。
ですので、停車駅に近づく前にトイレには行っておくということを忘れずに。

動画でシベリア鉄道のトイレの雰囲気を感じて下さいね。

電源

シ電源は、廊下に数カ所とトイレに用意されています。
(ちなみに、この電源のコンセント部分をロシア語で「ラジェートカ」と言います)

最近は子供でもタブレットやゲームなど持っていますので、結構取り合いになります。
みんなでの共用なので、ゆずりあって使いいましょう。

延長コードを使って、部屋まで電気を引くことは禁止です。
廊下にコードがあると引っかかったりして安全上問題があるとのことです。
(これをやって車掌に注意されました)

こちらは新型車両の電源差込口。

シベリア鉄道電源アダプター差込口画像

こちらは旧型車両の電源差込口。

シベリア鉄道旧式電源アダプター差込口画像

トイレの中にも鏡の横にありますので、ヒゲソリ用シェーバーやドライヤーなども使えることは使えるようです。

シベリア鉄道電源アダプター差込口トイレ画像

使用した感じでは、電圧が不安定なように感じました。
充電が完了するまでの時間が、通常よりかかると思います。

特に旧型車両ではそれが顕著でした。

できれば、モバイルバッテリーなどを持参すると安心です。

ロシアの電源についてですが、電圧は220A。
差し込むプラグの形状は、ヨーロッパ型の「タイプC」と言われるものになります。

丸い断面のピンになります。

プラグアダプター(変換プラグ)は、ロシア内では入手が難しいので、事前に家電量販店や成田空港などで入手しておきましょう。

お湯

車内では、24時間いつでも熱々のお湯を利用することができます(無料)。

飲料用ですので、コーヒーや紅茶などの飲み物、インスタントカップラーメンなどに利用できます。

このお湯が出る機械のことを、ロシア語で「サモワール」といいます。

蛇口の上についているレバーをひねるとお湯が出ます。

こちらは新型車両のサモワール。

シベリア鉄道サモワール画像

シベリア鉄道サモワール蛇口付近画像

こちらは旧型車両のサモワール。

シベリア鉄道旧式サモワール画像

シベリア鉄道旧式サモワール蛇口付近画像

このサモワールで注意してほしいのは、お湯が本当に熱いということ!
はっきり言って「熱湯」です。

手などに直接お湯がかかればヤケドします。

列車は結構揺れることもありますので、お湯を利用するときはしっかり踏ん張って揺れないように注意してください。

このサモワールのお湯をコーヒーや紅茶などにそのまま利用すると、熱すぎて飲むのにしばらく時間がかかります。
(猫舌の人は大変です)

ですので、そんなときはミネラルウォーターを少し足して温度調節をしてから飲むといいでしょう。

食事

シベリア鉄道にはレストラン車両があります。
ロシア語で「ресторан вагон(レストラン・ワゴン)」といいます。

せっかくの鉄道旅行ですからネタとして利用するのもいいですが、結構いい値段がします(^_^;

これは、数少ない安いメニューのオープンサンドと紅茶。
値段をよく憶えていないのですが、これで400円位したと思います。

シベリア鉄道食堂車のオープンサンドウィッチと紅茶画像

食堂車内はこんな感じです。

シベリア鉄道食堂車内画像

車掌からチョコレートなどの軽食を購入することもできます。

このようなメニューが車内に貼ってあります。

シベリア鉄道フードドリンクメニュー画像

サンプルが並べてある場合もあります。

シベリア鉄道軽食サンプル画像

カップラーメンもあります。

シベリア鉄道インスタントカップラーメン画像

ただ、当たり前ですが事前に普通の店で買ったほうが安いです。

ですので、車内で食べる食料は、事前に購入して持ち込んだほうがいいでしょう。

あとは途中で止まる停車駅のキオスクで購入もできます。

ただ、駅や時間によってキオスクが開いていなかったり、モノがあまりなかったりしますので、過度な期待はしないほうがいいでしょう。

これは、途中の停車駅で購入したサンマ(ロシア語で「サイラ」)の缶詰とロシアを代表するビール「バルチカ」。

シベリア鉄道食堂車のオープンサンドウィッチと紅茶画像

部屋で食べるときは、2階の席の人でも設置されているテーブルで食べても問題ありません。

ロシア人自体、食事をテーブルで食べるというマナーがありますので遠慮はしなくても大丈夫です。

2階のベッドで食べても構いませんが、「テーブルで食べれば」と声をかけてくれることが多いです。

ちなみに、後半イルクーツクからウラジオストクまでの列車ではなぜかお昼のランチが毎日出ました。
(観光客がほとんどいないロシア国内向けローカル車両)

チケットの購入時に「食事つき」と選択した記憶もなく、他に人たちもみんなもらっていたので、無条件に食事がつくという列車もあるのだと思います。

ランチの内容は特に豪華なものではありませんが、ちゃんとスープ、パンがつき、魚、チキン、ビーフの3つから選べます。
ミネラルウォーター、インスタントコーヒーやチョコレートなども。

シベリア鉄道ランチ画像

これは魚のランチ。
黄色いのはマッシュポテトです。

シベリア鉄道ランチ(フィッシュ)画像

これはビーフのランチ。
マカロニが添えてあります。

シベリア鉄道ランチ(ビーフ)画像

ベッド

今回私は一番一般的な2等寝台(クペー)で移動しましたので、このクラスのベッドについてご紹介していきますね。

2等寝台(クペー)でのベッドは、部屋の左右上下に二つずつ設置されています。

これは新型車両。

シベリア鉄道車内ベッド画像

こちらは旧型車両。

trans-siberian-railway107

ベッドのサイズですが、かなり狭くて小さいです。

こちらは新型車両の1階のベッド。

シベリア鉄道ベッド画像

こちらは新型車両の2階のベッド。

シベリア鉄道ベッド画像

こちらは旧型車両の2階のベッド。

シベリア鉄道旧式ベッド画像

身長が175センチ以上の人は、足を曲げる必要があります。
横幅がある人(100キロ超級)は、横向きならないと収まらないかもしれません。

身体の大きなロシア人は、足を延ばしきれないので折り曲げて寝ています。

2階ベッドへ上る際は、折りたたんであるハシゴ(階段)を出して上ります。

これはハシゴが折りたたんであるときの状態。

シベリア鉄道ベッドの開閉式ハシゴ画像

これはハシゴを出した時の状態。

シベリア鉄道ベッドの折りたたみ式ハシゴ画像

旧式車両も使い方は同じです。

シベリア鉄道ベッドの折りたたみ式ハシゴ画像

このハシゴに足をかけて上に上がります。

ハシゴは出し方は動画でもチェックしてみてくださいね。

ベッド周辺の設備やレイアウトは、新しいタイプと古いタイプで多少違ってきます。

新しい車両タイプでは、液晶テレビがついてます。
(実際は誰も見ていなかったので、番組ちゃんと見れるかは不明)

シベリア鉄道コンパートメント内の液晶テレビ画像

古い車両タイプではテレビはありません。

シベリア鉄道コンパートメント内画像

読書灯もありますよ。
(読書灯は古いタイプでもありますが、あまり手元を照らせずちょっと使い勝手が悪いです)

シベリア鉄道コンパートメント内の読書灯画像

インターネット

シベリア鉄道の車内は、残念ながら「Wifi(ワイファイ)」が飛んでいるなんてことはありません。

ですので、通信手段をもっていなければシベリア鉄道内でネットも電話もできません。

もし、シベリア鉄道で移動中にネットを使いたいということであれば、日本でローミングの手続きをしておく必要があります。

ローミング手続きをして、現地の通信会社の回線を利用できるようになれば、ご自身のスマホから電話をかけたり、フェイスブックやツイッターに投稿したり、メールを出したりできます。
(成田空港の各キャリアの店舗は、さすがに海外ローミングについて非常に詳しいです)

もしくは、SIMフリーの携帯かスマホを持っていれば、ロシア国内の現地通信キャリアのSIMカードを契約・購入をして利用することも可能です。

もし、ロシアでSIMカードを購入したいということであれば、下記を参照してください。

ロシアでは、大手の通信キャリアが3つあります。

ビーライン(Билайн)
ビーラインロゴ画像
エムテーエス(MTS)
エムテーエスロゴ画像
メガフォン(МегаФон)
エムテーエスロゴ画像

シベリア鉄道横断で使用するということを考えると、モスクワのある西側ヨーロッパロシアエリアからウラジオストクがある極東エリアまでの広大なロシア国内エリアどこでも使用できるということを前提で考える必要があります。

そう考えると、選択肢は「メガフォン」となります。

ビーラインは、モスクワ市内では調子が良くてもモスクワ以外の地方では全然だめだそうです。

メガフォンはその逆で、モスクワではビーラインほどではないにしても地方でも安定してつながるようです。

今回私が契約したのは、メガフォンの「XL(エックスエル)」というタイプ。
https://moscow.megafon.ru/internet/

値段は、ネットのみ30GBで1290ルーブル。
(他にもプランあり)

通話もするのであれば、通話分の料金を追加すればOK。

今回は、「XL(エックスエル)」と通話分210ルーブル分をまとめて1500ルーブル支払いました。

SIMカードの電話番号は、3ヶ月間は維持されます。
3ヶ月を過ぎると、自動的に抹消されます。

電話番号をそのまま維持したければ、
切れる前(3ヶ月経つ前に)何かしらショートメールなどでも使用すればOK。

月90ルーブルで電話番号の維持も可能なので、
はじめから維持することがわかっていれば、
最初の契約時にまとめて処理してしまったほうが楽かもしれません。

ただ、やはり結構トラブルはありました。

ロシアは広いだけあって、地域によって通信インフラに結構差があるようです。

ですので、違うエリアの通信インフラに入ると、電波が入らないといったことだけでなく設定自体を変更せざるを得ないトラブルがおきます。

私の場合は、電波はきちんと入っているのに、全くネットができないというトラブルが多発しました。

メガフォン側のトラブル原因の説明としては「地方的なもの」としていくつかの設定変更を指示されました。

広大なロシアという土地で、安定的に通信手段を確保するのは、結構面倒なことです。

今回はローミングという手段はとりませんでしたが、こちらの方法のほうが現実的かもしれません。

ロシアでの通信をローミングで行う場合は、事前にどこのキャリアとつながるかを確認し、つながるエリアなどをきちんと把握しておいたほうがいいでしょう。

荷物置き場

メインの大きな荷物は、上下の席で置き場所が変わります。

下の座席の場合の荷物置き場は、座席の下になります。

ベッド兼座席を持ち上げると、その下にスペースがありますのでそこに荷物を入れます。

通常はこのような一見イスのような状態になっています。

シベリア鉄道ベッド画像

シートをグイッと持ち上げると、荷物置き場のスペースがあらわれます。

シベリア鉄道ベッド開けた画像

動画を撮りましたのでチェックしてみてくださいね。

上の席の場合の荷物置き場は、2階の足元のスペースになります。
(つまり通路の上)

荷物が重いと、持ち上げて押し込むのににちょっと苦労するかもしれません。

シベリア鉄道2階ベッド画像

こっちは旧型車両。
スペース的にはほぼ変わりません。

シベリア鉄道2階ベッド画像

両方の置き場とも、高さ(厚み)があまりにもあるものだと入らない場合もありますので注意してくださいね。

停車駅での注意点について

シベリア鉄道に乗っていると、途中でいろいろな駅で停車します。

こんな感じで駅の雰囲気も違いますので、次の停車駅はどんなところだろうと楽しみになります。

シベリア鉄道発着・停車駅画像

シベリア鉄道発着・停車駅画像

シベリア鉄道発着・停車駅画像

停車する駅は、その列車によって違ってきます。

気になるのは、その停車駅での停車時間ですね。

この停車時間は、停車駅によってバラバラです。

短いところですと2分程度、長いところですと30分~40分程度停車します。

20分程度が多いでしょうか。

2分程度停車する場合は、その駅で降りることは基本的にはできません。

20分程度停車する場合は、外に出て身体を動かしたり、写真を撮ったり、買い物をしたりしてリフレッシュするのがいいでしょう。

注意点としては3つ。

■あまり遠くへ行かないこと。

写真を撮るのに夢中になり、列車が出発してしまったらシャレになりません。

車掌さんに何分停車するのかを確認してから動き回ったほうがいいでしょう。

このように、到着時間と出発時間、停車時間が書かれた紙が貼られている場合もありますので、あれば確認しておきましょう。
(記載されている時間通りにならない場合もありますので、車掌さんに口頭で聞いてしまうのが一番確実です)

シベリア鉄道発着・停車予定スケジュール画像

■貴重品の管理。

列車の外に出るということは、車内の荷物には目が届かないということになります。

パスポート、財布などの貴重品は必ず身に付けておくようにしましょう。

■食べ物。

停車駅によっては、売り子のおばちゃんがホームに待機していて手作りの食べ物を売っていたりします。

こんな感じです。

シベリア鉄道停車駅の売り子のおばさん画像

シベリア鉄道停車駅の売り子のおばさん画像

この手作りの食べ物にはちょっと注意をしてください。

とくにピロシキはロシア人でもお腹を壊すことが多いようなので、できれば避けたほうがいいでしょう。

キオスクで販売されているものであれば、日持ちするものが多いので比較的大丈夫でしょう。

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