シベリア鉄道とは
「シベリア鉄道」とは、ロシア国内を東西に横断する鉄道のこと。
世界一長い鉄道で、全長は9,297kmあります。
日本の北海道から沖縄まで北東から南西までの全長が約3000キロですから、日本の約3倍の長さの距離を走る鉄道ということですね。
(日本の全長についての参考 → 環境省)
シベリア鉄道の歴史や基本的知識などは、「Wikipedia(ウィキぺディア)」や地球の歩き方などのガイドブックに情報がまとめられているのでそちらにお任せしたいと思います。
→ シベリア鉄道(ウィキペディア)
こちらのページでは、ウィキペディアやガイドブック等に載っていない「シベリア鉄道」の運営会社についてもう少し詳しく触れておきたいと思います。
シベリア鉄道の運営は、「ОАО РЖД(ロシア鉄道)」という会社が行っています。
公式ホームページのURLは下記です。
こちらからチケットの購入も可能です。
■ロシア鉄道ホームページ
・ロシア語版
http://rzd.ru/
・英語版
http://eng.rzd.ru/
「ロシア鉄道」は、ロシア語で「ОАО “РЖД”」、
英語で「Russian Railways」と呼ばれるいわゆる「国鉄」のような会社です。
「ОАО 」というのは、ロシア語で「株式会社」「組織」といった意味です。
「РЖД」は、「Российские железные дороги」の略。
読み方は、「ラシースキィ・ジェレーズヌイェ・ダローギ」。
「Российские」は「ロシアの」、
「железные дороги」は「鉄道」という意味です。
ということで、「シベリア鉄道」というのはこの「ロシア鉄道」が運営している路線の一部ということになります。
意外とガイドブックやネットでも、この「ロシア鉄道」の情報が少ないです。
チケット情報や最新ニュース、割引があるキャンペーン情報などHPに掲載されますので、ロシア語や英語が直接読めなくても翻訳ソフトなどを使ってまずは目を通すことをおすすめします。
シベリア鉄道の路線について
「シベリア鉄道」と一口にいっても、実はいろいろな路線があります。
こちらがシベリア鉄道を運営する「ОАО “РЖД”(ロシア鉄道)」が公表している路線図です。
http://eng.rzd.ru/statice/public/en?STRUCTURE_ID=9
厳密に言えば、この路線の中でシベリアを通過している路線は全て「シベリア鉄道」と言えるでしょう。
一般的に日本人が連想する「シベリア鉄道」は、「ロシア大陸横断」というイメージが強いですね。
ですがこう見ると、終着駅や通過駅に中国の北京やハルビン、モンゴルのウランバートル、北朝鮮の平壌などもあります。
ロシアだけでなく、国境を越えて走っているのがわかりますね。
いくつかあるシベリア鉄道の路線の中でも、「モスクワ-ウラジオストク便」が一般的ないわゆる「シベリア鉄道」の路線といえるでしょう。
今回私の旅のコースは、
「モスクワ → ウラジオストク、イルクーツクで途中下車」
というコースでした。
このコースで利用した路線は下記。
・列車番号20:モスクワ-北京便(モスクワからイルクーツクまで)
・列車番号134:ウラジオストク便(イルクーツクからウラジオストクまで)
列車番号20のほうは、いわゆるロシア国外から来た旅行者・観光客と中国人が多用するので、
車両が新しいものが使用されていました。
この新しい車両は、基本的に3等寝台クラスがありません。
1等もしくは2等です。
(1等は2人、2等は4人用のコンパートメントです)
列車番号134のほうは、一般のロシア人が使用する列車なので、古いソビエト時代からの車両が使用されていました。
一般のロシア人が使用するタイプの列車は、観光客の列車よりも小さな駅で停車することが多いようで、その分同じ距離でも時間がかかります。
そして、3等までクラスがあります。
(3等は、コンパートメントでなく6人1組の開放型寝台車)
「通勤快速」と「快速」の停車駅の違いといえば、イメージしやすいでしょうか。
路線によって列車にも差があるとわかっておくと、いろいろと心の準備もできると思います。
シベリア鉄道の時刻表の注意点
シベリア鉄道の時刻表に書かれている時刻は、全てモスクワ時刻です。
超重要なポイントなので、もう一度書きます。
シベリア鉄道の時刻表に書かれている時刻は、その現地の時刻ではなくモスクワ時刻です。
すなわち、モスクワ時間と現地時間(ローカル)で時間が違う場合は、その時差を含めて考えておかないと大きな間違いをしてしまう可能性があります。
例えば時刻表に、「イルクーツク到着時間:2時32分」と書かれていたとします。
これだけ見ると、深夜の「2時32分」に到着するものを思いがちですがこれはモスクワ時間です。
これにモスクワとイルクーツクの時差5時間をプラスする必要があるのです。
ですので、イルクーツクへの現地到着時間は「7時32分」になるということです。
下記は、とある日のモスクワからウラジオストクの時刻表です(「ロシア鉄道」公式ページより)。
このように、ウラジオストクの到着時間のところに「Moscow time(モスクワ時間)」と書いてありますね。
日本は日本全国同じ時間が流れています。
ですから、こういった同じ国で時差がある場合の時刻表は見慣れていないので非常に間違いやすいです。
到着時間を間違えてしまうと、全ての段取りが狂ってしまいますからね。
気を付けてくださいね。
下記のような停車駅のホームの時計も、基本的にはモスクワ時間にあわせていますので、間違えないようにしてくださいね。
ロシアは、9つの時間帯(タイムゾーン)があります。
参考までに、
モスクワとシベリア鉄道で通過する主要都市との時差を記載しておきます。
モスクワをベースとして下記のようになります。
・ニジニ・ノヴゴロド:0時間
・エカテリンブルグ:2時間
・オムスク:3時間
・ノヴォシビルスク:3時間
・クラスノヤルスク:4時間
・イルクーツク:5時間
・ハバロフスク:7時間
・ウラジオストク:7時間
ちなみに、日本とモスクワの時差は5時間。
ですので、イルクーツクと日本の時差はない(0時間)ということになります。
一番日本と近い極東とは時差があり、距離があるイルクーツクとは時差がないのは面白いですね。
*コワザ
グーグルの検索で、「モスクワ 時差」というように「地名+時差」と入れて検索すると、
検索結果のページの上部にその現地時間が表示されます。
座席のタイプについて
シベリア鉄道は、1等寝台から3等寝台までの3つにクラスがわかれています。
■1等寝台
1等の客室寝台を「リュークス(люкс)」といいます。
一部屋(コンパートメント)を2人で利用します。
グーグルの画像検索で雰囲気を見てみる → リュークス
■2等寝台
2等の客室寝台を「クペーヌイ」、略して「クペー(купе)」といいます。
一部屋(コンパートメント)を4人で利用します。
グーグルの画像検索で雰囲気を見てみる → クペー
■3等寝台
3等の客室寝台を「プラツカールトヌイ(Плацкартный)」といいます。
「開放車両」と言われるもので、大人数で利用します。
グーグルの画像検索で雰囲気を見てみる → プラツカールトヌイ
それぞれの値段はほぼ倍々で変わってきます。
1等は2等の倍、2等は3等の倍といった値段ということです。
通常、ロシア以外の国の旅行者がシベリア鉄道で移動する列車は、たいてい1等か2等しかない列車になります。
3等は基本的にロシア人が乗るクラスで、あまりロシア国外の人が予約する列車にはないクラスだと思っていいでしょう。
どのクラスを選んだらいいかと迷うと思いますが、「クペー」を利用するのが一般的でしょう。
シベリア鉄道を利用する際だけでなく、モスクワからサンクトペテルブルク間を走る「赤い矢号(レッドアロー号)でも「クペー」が一般的です。
私も今回の旅では「クペー」を利用しました。
1等のリュークスは金額が高すぎるし、3等のプラツカールトヌイはちょっと安全面(盗難等)で不安があります。
クペー内部の様子は、私が撮影したこちらの動画でチェックしてみてくださいね。