ホテルから駅への移動手段
例えばモスクワでシベリア鉄道に乗る場合、ホテルから発着駅である「ヤロフラフスキー駅」まで行く必要があります。
知らないロシアの町で、どのようにして駅まで行けばよいのでしょうか?
ホテルから駅に行く方法としては、大きく分けて3つあります。
1:宿泊しているホテルで車を手配してもらう
2:公共機関の乗り物を利用する
3:タクシーをつかまえていく
■宿泊しているホテルで車を手配してもらう方法
この方法は、一番確実で安全な方法です。
ホテルにもよりますが、運転手に「駅まで送ってもらう」だけでなく、「チケット(切符)を交換してもらうところまでついてきてもらう」「列車にのるまでついてきてもらう」などリクエストも可能な場合があります。
支払い料金に関しても、ホテルで支払ってしまう場合も多くトラブルが少ないです。
他の方法に比べて多少料金が高くつきますが、ストレスが少なく、安心安全確実な方法です。
■公共機関の乗り物を利用する方法
メトロ(地下鉄)、バス、マルシュルートカ(小さな乗り合いバス)、トランバイ(路線バス)、トロリーブス等で駅まで行く方法です。
安い料金で行けるというメリットはあります。
ですが、デメリットも結構あります。
荷物が多い場合は移動するにも大変ですし、スリなどに対して気を使う必要が出てきます。
運賃もわかりずらいので、慣れていないと料金の支払いなどにも気を使います。
■タクシー
タクシーは、通常のタクシー(ちゃんとタクシーとして営業しているもの)と白タクがあります。
白タクは観光客は利用しないほうがいいのであえて細かな説明はしません。
通常のタクシーも日本のタクシーとは違い、交渉が必要になります。
もちろん英語が通じない場合がほとんどです。
ドライバーも相手が慣れていない観光客だとわかると、きちんとした価格でやらない場合があります(いわゆるぼったくり)。
駅に到着しておきたい時間
シベリア鉄道に乗り込む駅には、余裕をもって到着するようにしましょう。
できれば列車の発車時刻の「1時間前」には到着をしているのが理想です。
駅に到着してからは、下記のような流れで動きます。
・駅到着
・入り口を探す
・電光掲示板を探す
・電光掲示板で自分の列車の運行状況を確認
・カッサ(チケット販売所)へ行き、チケット(切符)の受け取り
・車内で食べる水や食料の購入
・列車が止まっているホームまで移動
・自分がのる車両まで移動
・列車の入り口で車掌に切符とパスポートを見せる
・乗車
発車1時間前に着いて、上記のことをこなしていくとすでに発車の20~30分前くらいになっていると思います。
この後、車内に乗り込んで荷物をしまったり、ベッドメイキングしているうちに発車という感じになるでしょう。
ですので、時間が経つのが想像以上に早いです。
遅くても発車1時間前には到着、慣れていないのであればさらに余裕をもって1時間半位前には着いていたほうがいいでしょう。
とくにモスクワのヤロスラヴリ駅があるコムソモーリスカヤ広場は、周辺に大型のターミナル駅が2つあり間違えやすいです(サンクトペテルブルク方面へ向かうレニングラーツキー駅とカザン方面へ向かうザンスキー駅)。
実際にロシア人でも間違えるそうです。
しかも駅構内が大きいですので、移動距離もあるということを頭に入れておいてくださいね。
駅についてから列車に乗るまで
駅についてから列車に乗るまでは、下記のような流れになります。
特に難しいことはないのですが、慣れない国、初めての駅だと余裕がなくなりますので、簡単にシミレーションをしておくといいでしょう。
・自分の列車の運行状況確認
・チケット(切符)の受け取り
・車内での食料の購入
・列車が止まっているホームまでの移動
・自分がのる車両までの移動
・列車の入り口で車掌に切符とパスポートを見せる
細かく説明していきますね。
■自分の列車の運行状況確認
まず駅に到着したら、自分の乗る列車の運行状況を確認します。
電光掲示板を探しましょう。
チケットには、列車のナンバーと発車時刻が書かれています。
それを探して照らし合わせてください。
列車のナンバーと発車時刻が書かれていたら、何番ホームから出発するかもチェック。
「путь(プーチ)」と書かれているところの数字が、列車が止まっているホームの番号です。
(何番線かということですね)
自分が乗る列車が見つかり、予定通りの時刻に発車することが確認できたら、次はチケットを受け取りに行きましょう。
■チケット(切符)の受け取り
チケットの受け取り手順に関しては、下記に詳細を書いています。
参考にしてみてくださいね。
駅では「Kacca(カッサ)」という文字を探してください。
そこがチケット(切符)の受け取り(交換)場所になります。
■車内での食料の購入
できれば事前に車内用の食料や飲み物を買っておくといいでしょう。
もちろん食堂車もあり簡単な食事もできます。
車内販売でチョコレートやポテトチップスなどのお菓子も購入できます。
ですが、長距離ですからある程度用意しておいたほうが安心できます。
車内は乾燥もしていますので、大きなボトルのミネラルウォーターを数本買っておくのがおすすめです。
こちらでも少し詳しく書いています → 列車で快適に過ごすための持ち物
■列車が止まっているホームまでの移動
はじめての駅だと、ホームがどこにあるかもわからないかもしれません。
その場合は、人の流れを見てみましょう。
シンプルな駅であれば、
入口と逆方向へ移動すればプラットフォームにつきます。
■自分がのる車両までの移動
シベリア鉄道は車両数が多く、想像以上に長いです。
日本の地下鉄のように、7両や10両ではありません。
20両くらいあったりします。
1号車や2号車といった先頭付近の車両はかなり歩きますので、余裕をもって移動しましょう。
■列車の入り口で車掌に切符とパスポートを見せる
自分の乗る車両に着いたら、待機している車掌さんにチケットとパスポートを見せましょう。
チケットに問題なければ、車両に乗ることができます。
この時に、車掌さんにちょっとした挨拶(英語でも構いません)とお菓子などをあげておくのもいいでしょう。
長い旅のお世話になりますからね。
日本人とわかると、「コンニチハー」「クロサーワ」といった知っている日本語で結構コミュニケーションしてくれますよ。
ここまでが、駅についてから列車に乗るまでのステップです。
イメージできましたか?
では、次に列車に乗り込んでからについて見てみましょう
→ 列車に乗り込んだらやること
列車に乗り込んだらやること
列車に乗り込んだら、まずは自分の座席番号のある部屋(コンパートメント)まで移動します。
部屋まで移動したら、今度は自分の席を確認します。
番号は部屋の入り口に書いてあります。
2等寝台の「クペー」であれば、座席番号は下記の画像に書かれているような配列になっています。
1車両に9つのコンパートメントがあります。
1つのコンパートメントは4人部屋ですから、1つの車両には36番まで座席があります。
これがわかっていると探すのも早いですね。
席が確認できたら、まずは荷物を整理します。
車内で使用するためにあらかじめ分けておいたもの(→ 列車で快適に過ごすための持ち物)以外のもの、つまりスーツケースのような大きなメインの荷物をしまいます。
座席が下の場合は、ベッドの下に入れます。
ベッドを持ち上げると、スペースが出てきます。
座席が上の場合は、二段ベッドの足元にあるスペースに入れます。
下の写真でいうと、テレビの上にあるスペースが荷物置き場で、右側に私の荷物が入っています。
どちらも荷物の高さ(厚さ)がありすぎるとると収まらないので、注意してください。
次に、ベッドや枕にシーツをセットします。
シーツのセットは、車掌さんが配ってくれます。
シーツセットの中身は、敷布団用シーツ、掛布団用シーツ、枕カバー、タオルがそれぞれ1つずつ入っています。
これは下車するときに畳んで返します。
(記念に持ち帰ることはできません)
狭い車内なので、ベッドメイキングは意外と時間がかかります。
ここまでの作業をしているうちに、おそらく列車は出発していると思います。
あとは、自分の過ごしやすいように少しずつ巣作りをしていってください。
もちろん同室の人への挨拶も忘れずに。
列車で快適に過ごすための持ち物
シベリア鉄道内に持ち込む荷物についてまとめてみます。
まず、スーツケース等メインの荷物とは別にリュックとウェストポーチといった「中」と「小」のバッグに小分けすることをおおすすめします。
メインの荷物は取り出しにくい場所に入れてしまうので、日常的に使うものをそこに入れてしまっていると、なかなか取り出すことができません。
ですので、あらかじめリュックとウェストポーチに普段使いのものを小分けにしておくのです。
リュックのような「中」サイズのバッグには、食糧やガイドブック・書籍といったものを入れておきます。
ウェストポーチのような「小」サイズのバッグには、パスポートや財布といった貴重品類を入れて、トイレなどにも身に付けて持っていけるようにします。
列車内で生活するうえで、小分けにしておきたいものを下記リストアップしておきます。
・車内でくつろぐための服(ジャージ等ネマキ兼用)
・タオル(普通のもの&チビタオル)
・歯ブラシ等ケアグッズ等
・ウェットティッシュ(お手拭き用&身体拭き用)
・マスク
・ビーサンやスリッパ
・ミネラルウォーター(大きいボトル&小さいボトル)
・食べ物
・箸・スプーン・フォーク・缶切り等
・パスポート・財布・スマホ等貴重品類
・時間つぶしグッズ(本、雑誌、音楽プレーヤー、ゲーム等)
・フタつきの保温マグカップ
・ゴミ入れ用のスーパーの袋
・トイレットペーパー
・デジカメ
・モバイルサブバッテリー
リストアップしたものを個別に説明していきますね。
■車内でくつろぐための服(ジャージ等ネマキ兼用)
Tシャツ、ジャージ、スウェット等なんでもかまいませんが、ネマキ兼用の軽装を用意しておきましょう。
狭い列車内での生活ですから、リラックスできる格好で。
そして、列車の乗り込んだらすぐそれに着替えてしまいましょう。
夏は冷房、冬は暖房が利きますので、Tシャツをメインとして、その上にはおれるジャージやパーカなどの組み合わせが便利でしょう。
■タオル(普通のもの&チビタオル)
通常のタオルは顔を洗うとき用、
チビタオルはトイレに持っていく用(ハンカチ替わり)と使い分けたほうが便利です。
■歯ブラシ等ケアグッズ等
歯ブラシや洗顔料、化粧水といったご自身で必要なケアグッズは小さな入れ物に小分けしておくといいでしょう。
トイレにはコップがなどないので、折り畳み式のコップなども持っていると便利ですね。
■ウェットティッシュ(お手拭き用&身体拭き用)
お手拭き用ウェットティッシュは必須です。
食事の時やちょっとした時に何かと使えるので便利です。
トイレも混んでいるとなかなか入れず、手も洗えません。
最近はロシア国内でも売っていますが、商品によっては香料が強いものもありますので、日本のドラッグストアで使い慣れたものを購入しておいたほうが安心でしょう。
あと、列車内にはシャワーもないので、大判サイズの身体拭き用もあると便利です。
■マスク
冷房や暖房が結構強めに入るので、車内は結構乾燥します。
飛行機に近いですね。
鼻の穴など乾燥しやすいです。
寝るときなどはマスクなどして寝ると乾燥対策になります。
■ビーサンやスリッパ
車内ではビーチサンダルやクロックスのようなスリッパタイプの履物があると便利です。
ベッドの上で過ごすことが多くなるので、いちいちスニーカーに履き替えるのは不便です。
飛行機のノベルティでもらえるような使い捨てのものよりは、外履きできるもののほうがおすすめできます。
途中停車駅などもそのまま出られますからね。
■ミネラルウォーター(大きいボトル&小さいボトル)
ミネラルウォーターは、お得な大きいボトル(2リットル)を何本かと、入れ替え用の小さなボトルのもの(500ミリリットル)両方のボトルのタイプ用意しておくといいでしょう。
小さなボトルがメインで、無くなったら大きなボトルから水を移し替えます。
ちょっとベッドで飲んだり、トイレで歯磨きの口すすぎ用などには小さなサイズのボトルがあると便利なのです。
■食べ物
車内で食べる用の食事、軽食、お菓子などを用意しておきましょう。
車内でもちょっとした軽食を販売していますしレストラン車両などもありますが、あくまでも非常用と思ったほうがいいでしょう。
好きな時に好きなものを食べられるようにしておいたほうが安心です。
列車に乗り込む前に、買い出しをしておきましょう。
できるだけ傷みにくい、腐りにくいものを選びましょう。
カップラーメンも定番です。
私は、黒パンと魚の缶詰、ナッツなどのお菓子などを購入しました。
インスタントコーヒーや紅茶のティーバッグなどもあると便利です。
日本から、即席の味噌汁などを持ち込んでもいいでしょう。
熱いお湯はいつでも利用できるようになっています。
■箸・スプーン・フォーク・缶切り等
コンビニでもらえるような割りばしやスプーン、フォークなどあると便利です。
(もちろんアウトドア用などの折りたためるタイプのものがあればなおよし)
カップラーメンを買っても、箸がなければ食べられませんからね。
ロシアでは、カップラーメンを買っても割りばしをサービスでつけてくれるなんてことはありません。
(折りたたみのフォークがついている商品はあります)
缶切りはあると便利なものということで。
缶詰や瓶ビール、ワインなどを買っても、これさえあればなんとかなります。
缶詰は保存がきくので、駅の売店でも結構販売されています。
しかもロシアの缶詰って珍しいものが多いですから、食べたいと思っても缶切りがないから食べられないというのも悲しいです。
日本の缶詰のようにプルトップのものはほとんどありません。
写真のよく見るタイプのものがスペースも取らず、使い勝手がいいですね。
■パスポート・財布・スマホ等貴重品類
パスポート・財布・スマホ等貴重品類は、必ず身に付けておくようにしましょう。
これらをウェストバッグなどの小さいバッグに入れて常に身に付けておきましょう。
トイレなどに移動する場合は、このウエストバッグだけを持って移動という感じですね。
■時間つぶしグッズ(本、雑誌、音楽プレーヤー、ゲーム等)
時間はたっぷりとありますので、時間を有効に使うものを持参しましょう。
これらがないと、外を見るか寝るしかありません。
■フタつきの保温マグカップ
熱いものを入れられるコップは必須です。
冷めにくい保温タイプのもので、フタつきのものであればベストです。
列車は結構揺れるので、できればきちんと蓋がしまるタイプのものがおすすめ。
そして、フタの一部があいてふたをつけたまま飲み物が飲めるタイプであればベストです。
■ゴミ入れ用のスーパーの袋
列車内のゴミ入れは、トイレの前に用意されています。
ですが、いちいちそこまで移動するのもの面倒です。
手元にちょっとしたゴミ袋を用意しておくと便利です。
買い物の時にもらったスーパーの袋で十分です。
■トイレットペーパー
トイレットペーパーがきれていることが多いので、必ず用意しておきましょう。
ロシアのトイレットペーパーは厚めで粗いですから、できれば日本から持ってきたほうがいいでしょう。
全体を押しつぶして、そのままジップロックに入れておけば、コンパクトになり濡れないので安心です。
■デジカメ
停車駅やちょっとした出来事をおさめるために、デジカメはあったほうがいいですね。
写真だけでなく、動画も撮影してみるといい記念になりますね。
■モバイルサブバッテリー
車内での電源確保は大変なので、モバイルサブバッテリーを日本から持参することをおすすめします。
車内にもいくつか電源が用意されていますが、車両内の共用ですから他の人が使っていたら使えないですし、実際使えない場合も多いです。
最近のモバイルサブバッテリーは、スマホやデジカメなどにしっかりと補充ができるのでとても助かります。